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西区のハルリンドウ物語

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私達、西区の某溜池の堤に住んでいるハルリンドウです。名前のとおり春に咲きます。「何だって、リンドウは秋に咲くんじゃないのか?」ですって。そのとおり、(大形の)リンドウさん達は、秋に咲きます。でも、いとこのフデリンドウさんも同じですが、私達小形のリンドウは、春に咲くのです。だって、小さいもんだから、他の草花さんが伸びてくる前に、お日様の光を一杯受けて、慌てて咲く必要があるのです。お日様が大の大好きで、そのため、曇りの日は少ししか開きませんし、夜は閉じています。
かつては、彼方此方に住んでいたのですが、最近仲間が減ってきました。ために、地元の人達でも、私達を知らない、と仰る方も・・・こんなに可憐で可愛いのに・・・残念です。春、明るい陽が射す日、デートをしましょう。楽しみにしています。ただ、決して摘まないでね!
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西区のウツボグサ物語

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私達、西区の某路傍に住んでいるウツボグサです。かつては結構群落も成していましたが、近年はかなり減っていますので、あるいは出会うのに結構苦労されるかも知れません。ウツボは「靫」で、その昔、武者が矢を入れて背負っていた具、即ち「矢入れ」のことです。私達の花穂がこの靫を連想させることに由来します。自花(・・)自讃したら何ですが、私達のやや紅もかかった紫色の花、大きくて綺麗でしょう。また、紫色が、洋の東西を問わずノーブルな色とされて来たこととも相俟って・・・でしょうが、高貴な感も受けるでしょう。与謝野晶子さんに「なつかしき 春の形見か うつぼぐさ 夏の花かや 紫にして」の詠があります。多分、このようなイメージが背景にあるのではないでしょうか。ただ、「夏枯草」との別名もあるように、花期が終わると、直ぐに黒っぽい松毬(まつかさ)状に・・・「栄(・)花(・)必衰」は、やはり「理(ことわり)」です。

西区のユキノシタ物語

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私達、西区の山麓の某道端に住んでいるユキノシタです。日陰と湿気が好きで、このようなところでは、大集団で暮らしていることも稀ではありません。が、このような場所、人様は好まれないので、特に都会にお住みの方々は、あまり認知されてないようです。私達、陰湿な場所に住んでいますが、結構綺麗でしょう。そして、花、何かに似てませんか。歌があります。「真白くも 小さき蝶の 形して 夏来たるとて ゆきのした咲く」 それにしても、初夏に咲くのに何故「雪の下」? 葉が雪に半ば埋もれつつも健気に堪えている様子、または、花を雪に見立てその下に葉があるのに由来するのでしょうか。なお、葉、何かに似てませんか? ユーモラスな人がいて「虎耳草」との名も付けました。毛も生えており、うふふ、確かに・・・です。

西区のカラスビシャク物語

カラスビシャク


私、西区の某畑の畦に住んでいるカラスビシャクです。私達の花のユニークな形が「烏が使う柄杓」と見做されたのです。ただ、ハンゲ(半夏)と呼ばれることも多いようです。夏の半ば頃に姿を現すからです。かつては彼方此方に住んで、厄介な雑草として迷惑がられたようですが、今はそれほど普通ではなく、遭うのに結構苦労されるかも知れません。それにしても、奇妙な花でしょう。実は私達、サトイモ科で、あのミズバショウやマムシグサの親戚で「仏炎苞」と呼ばれる苞葉(花茎の基部に付く葉)が特徴なのです。「仏炎」は、仏像のありがたき光背のことです。じゃとぅも、蛇頭(スネークヘッド)を連想される方も多いようです。私も、そのように見えるかも知れません。このスタイル、人様や猫様も興味を示されるようで、俳句にも登場します。「暫くを 烏柄杓に しゃがみこむ」「烏柄杓 猫は出てゆき すぐ戻る」のです。

西区のマタタビ物語

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私は、西区と糸島市の境をなす日向峠の某林中に住んでるマタタビです。「猫にまたたび」と謂われるように、猫が陶酔する植物として知られていますが、実際の姿を知っている方は、多くはないようです。一見何てことない蔓木ですし、住んでいるところが、多くが、人族があまり足を踏み入れない自然林で、かつ湿潤な地ですし、個体数も少なめだからでしょうか。「またたびや 花ちる岩の たまり水」「またたびの 花や鞍馬路 昼暗く」等の吟のとおりなのです。私達に出会うチャンスは初夏です。枝先の葉が白くなり、見つけやすくなるのです。私達の名「又旅」に所以するようです。旅で疲れた際、私達を食べると元気が出て、又旅を続けられる、とされたのです。実際に多くの薬効があり、特に「またたび酒」は著効です。それにしても、あの矜持(プライド)高き猫さん達が、ダラダラ涎を垂らして・・・私達も不可思議です。
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植物物語

Author:植物物語
福岡市西区の植物を紹介していきます。

このブログ記事は「西区まるごと博物館推進会」自然部会
幹事 牛尾昌義様よりご提供頂いております。

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